高校無償化について調べていると、
「年収590万円」「年収910万円」という数字をよく見かけます。

でも正直、こう思いませんか。

シンパパ

うちは年収590万円いってないはずだから大丈夫!
…たぶん対象だよね?

実はここに、大きな落とし穴があります。

でも実際に制度を使ううえで大事なのは、年収そのものではありません
今回は、この制度を利用するために知っておいたほうがよいポイントまとめていきたいと思います。

年収590万円は「目安」であって判定基準ではない

まず大事なことから。

高校就学支援金は、年収590万円で判定していません。

590万円という数字は、文部科学省が示している「あくまで目安」です。

実際の判定に使われるのは、住民税の「課税標準額」という数字です。

判定に使われるのはこの計算

文部科学省が示している判定式は、次の通りです。

この計算結果の金額によって、就学支援金の区分が決まります。

判定ラインは3つ

計算結果を、次の表に当てはめます。

計算結果判定支援内容
15万4,500円未満最大支援私立:年39万6,000円
15万4,500円以上〜
30万4,200円未満
減額支援年11万8,800円
30万4,200円以上対象外※令和7年度は臨時支援金
 あり

一般に言われる「年収590万円」は、
この 15万4,500円未満 に収まるかどうかの目安にすぎません。

【実際の計算例】

例① 最大支援になるケース
  • 課税標準額:260万円
  • 調整控除額:2万5,000円
260万円 × 6% = 15万6,000円
15万6,000円 − 2万5,000円 = 13万1,000円

👉 15万4,500円未満   → 最大支援の対象


例② 支援額が下がるケース
  • 課税標準額:310万円
  • 調整控除額:1万円
310万円 × 6% = 18万6,000円
18万6,000円 − 1万円 = 17万6,000円

👉 15万4,500円以上  → 最大支援は外れ、11万8,800円の支援へ

では、課税標準額を正確に知る方法は…?

①「住民税決定通知書」

  • 毎年5〜6月頃に届く
  • 会社経由 or 自宅に郵送

ここに、

  • 課税標準額
  • 市町村民税所得割額

そのまま書いてあります


②「マイナポータル」(オンラインで確認できる)

  • 「わたしの情報」
  • → 税・所得
  • → 住民税
  • 課税標準額市町村民税所得割額

パンフレットにも書かれている正式ルートです。

シンパパ

まとめ

  • 「年収590万円」はあくまで目安
  • 実際の判定は 課税標準額を使った計算
  • 年収や手取りでは判断できない
  • 受験前に一度、数字を確認しておくことが大切

高校進学は、子どもだけでなく親にとっても大きな節目です。
制度を正しく知ることが、いちばんの備えになります。

*参考:文部科学省(「高校生等への修学支援』で検索)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm